

当社は売上高や利益水準だけではなく、資本コストのWACC(株主資本コストと有利子負債の加重平均コスト)や株価を意識した経営に努めてまいりました。2023年3月31日に東京証券取引所から公表された、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を受け、改めて現状分析及び将来予測に基づいた検討を行いました。
2024年3月期のROE(自己資本利益率)は15.0%、ROIC(投下資本利益率)は6.7%となり、過去5期平均(ROE:▲6.9%、ROIC:▲3.7%)から大きく改善しました。これにより、当社は長期にわたるマイナス成長からの脱却を果たし、資本効率の面で大きな転換点を迎えたことになります。
この改善は、資本効率を重視した経営施策の成果であり、当社の財務健全性と収益力が着実に向上していることを示すものです。
当社では、資本コストを意識した経営を継続しており、事業評価においてはROICがWACC(加重平均資本コスト)をどれだけ上回るかを重要な判断基準としています。
また、投資回収評価にはIRR(内部収益率)を、費用対効果の評価にはROI(投資収益率)を活用することで、資本の最適配分と投資効率の向上を図っております。
2025年3月期のROEは9.9%、ROICは5.2%と一時的に減少したものの、目標であるROE8.0%以上、ROIC6.0%以上の水準に向けて堅調に推移しております。
今後も資本効率の最大化を経営の中核に据え、2026年3月期の目標達成に向けて着実に取り組んでまいります。
当社は資本コストや株価を意識した経営を行う上で、損益計算書上の売上高や利益水準だけではなく、バランスシートを基にした資本コストや資本収益性を重視した経営を推進していくことを方針としております。主な指標は下記のとおりです。
指標 | 目標 【2026年 3月期】 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
目標差 | 前期差 |
---|---|---|---|---|---|
ROE | 8.0%以上 | 15.0% | 9.9% | +1.9% | ▲5.1% |
ROIC | 6.0%以上 | 6.7% | 5.2% | ▲0.8% | ▲1.5% |
NetDebt/ EBITDA倍率 (※) |
3倍以内 | ▲0.1倍 | ▲0.2倍 | - | ▲0.1倍 |
(※)NetDebt:純有利子負債
継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための抜本的な取り組みについて検討する。
社是である「お客様の喜びが私たちの喜びです」の実現に向けた活動が、全てのステークホルダーとの共栄の起点となると考え、各種施策を推進する。
ブランドコンセプトを磨き、表現し続けることで、強固な顧客基盤、資本収益性の高い事業構造を構築する。
強固な顧客基盤、資本収益性の高い事業構造の構築には、顧客満足度の向上が欠かせないと考えており、KPIにはNPSを採用し、NPS評点の継続的な向上に取り組む。
NPS評点の継続的な向上には、数多くの従業員の活躍が欠かせないと考えており、KPIには従業員エンゲージメントを採用し、従業員エンゲージメント評点の継続的な向上に取り組む。
投資回収、費用回収評価については、IRR、ROIの目標値を置き、ハードルレートを超えつつ、より大きなリターンが見込めるものを優先して実施する。